世界最強の女帝 メルケルの謎 (文春新書) by 高橋洋一 ダウンロード PDF EPUB F2
2016年当時、ヨーロッパとは言えば、ドイツのメルケル首相が、選挙に3回も勝って、皇帝ならぬ、女帝として、安定的な政治を行っている評価ですね。政治家としては、メルケルの師匠のコール元首相が、東ドイツ出身の女性政治家を首相にして、東西のドイツのバランスを取りたいという希望を、メルケル首相が、うまく、利用して、首相になったというのが、本の中身ですね。また、メルケルは、理系の人で、とても論理的な考えをして、記憶力が官僚も舌をまくほど、抜群で、会議が好きな仕事人間みたいですね。
しかし、首相になってからは、権力の味をしめたみたいで、コール首相を政治的に抹殺したり、また、メルケル本人の意志とは関係なく、メルケルを応援した人間は、みんな、落ち目になり、不幸になるという恐ろしい人間であり、メルケル周辺も、怖がっているみたいですね。
個人的な感想は、EUの東方拡大で、国内第一のドイツ銀行に代表されるドイツの金融機関が、ギリシャなどの新興国に金を貸し出したので、ドイツの銀行は、不良債権が約5500兆円から約7500兆円あり、いつ潰れても、おかしくないです。しかし、メルケル首相は、国内第一のドイツ銀行が潰れても、税金で助けないと公言して、世界から反発があり、ドイツ銀行の不良債権問題は、ドイツだけなく、世界の問題になっています。
また、通貨のユーロの加盟条件(財政政策の赤字がGDPの3%以内、財政赤字の負債が累積で、60%以内)が、ドイツとルクセンブルクしか、守れず、フランスも余裕で守れていません。したがって、28か国あるEUの中で、イタリア、スペイン、ボルトガル、ギリシャのビッグスの四か国は、いつ、ヘッジファンドに代表されるジョージソロスなどの国際投機筋に、狙われて、イギリスのがポンドがユーロに入れなかったと同じような「ユーロ離脱の二の舞」になると思います。そういう意味で、メルケル首相は、ドイツの金融機関の不良債権の爆発と、イタリア、スペインに代表されるヨーロッパの国が、通貨ユーロから、離脱して、ユーロが、紙くずになる事の二つの心配をして、悩んでいると思いますね。
最後に、今回のコロナ恐慌による対応で、不良債権と他国の通貨ユーロ離脱だけで、悩んでいる暇がなくなっている感じですね。以前どこかの首相との会談で、倒れましたから、健康不安がありますから、女帝ではないと思いますね。